1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05770470
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
末次 哲朗 鹿屋体育大学, 体育学部, 助手 (50235834)
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Keywords | 心筋虚血 / Beta-受容体 / Alpha1-受容体 / 冠動脈結紮 / オートラジオグラフィー |
Research Abstract |
<目的> 心筋におけるbeta-およびalpha1-受容体に対する虚血の影響を明らかにするために、ラットの冠動脈結紮後の心室性不整脈の発現の検討、血中カテコラミン値の測定、心筋蛋白量の変化の有無に加え、オートラジオグラフィーを用いて、beta-およびalpha1-受容体数の変動、beta-受容体のsubtype比の変化を虚血0、10、30、60分で検討した。 <結果> 1)冠動脈結紮後のラットの全例に、心室細動の発現を一過性に認めた。 2)血中カテコラミン値は、虚血時間に応じ漸増し、虚血60分では対照群の約7倍に増加した。 3)各虚血時間によるbeta-受容体の比較を^<125>I-iodocyanopindololおよび^3H-CGP12177を用いて行なったが、心筋虚血部でのBmax、Kd値は不変であった。また、beta-subtype比にも虚血の影響は認めなかった。 4)Alpha1-受容体の比較は、^3H-prazosinおよび^3H-bunazosinを用いて行なったが、心筋虚血部でのBmax、Kd値は不変であった。 5)Adenyl cyclaseに結合する^3H-forskolinは、虚血10、30分の心筋では結合量は減少していないことが判明した。 <総括> 虚血早期に発現する心室性不整脈や心筋障害の伸展に、虚血心筋内の高濃度のカテコラミンが関与していることが知られている。今回の検討でも虚血早期に心室細動の発現を認めており、RI研究結果より、虚血心筋では大量のカテコラミンが神経末端より放出されるにもかかわらずbeta-およびalpha1-受容体は減少(down-regulation)せず、またbeta-受容体刺激伝達系のsecond messengerであるadenyl cyclaseも虚血10、30分では障害されていないために過剰のカテコラミン刺激が伝達されることが主要因と推察された。
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