1993 Fiscal Year Annual Research Report
急性心筋梗塞における細胞間接着分子機構の臨床的意義
Project/Area Number |
05770498
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中山 浩 久留米大学, 医学部, 助手 (20217938)
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 細胞間接着分子 / soulble AMP-140 / soulble ICAM-1 |
Research Abstract |
急性心筋梗塞例において発症24時間以内、2病日、3病日にそれぞれ末梢より採血を行い、soluble GMP-140値(ng/ml)およびsoluble ICAM-1値(ng/ml)を免疫学的酵素抗体(ELISA)法にて測定し、健常人を対照群として細胞間接着分子発現の有無を検討した。さらに急性心筋梗塞例ではt-PA(= tissue-type plasminogen activator)による血栓溶解療法の有無による検討も行った。以上の結果、t-PA投与群および非t-PA投与群のsGMP-140値はともに第3病日まで対照群と比較して、有意に増加した。またt-PA投与群のsGMP-140値は非t-PA投与群に比較して、有意に低値を示した。一方、t-PA投与群および非t-PA投与群のsICAM-1値はともに第3病日まで対照群と比較し、有意に増加した。またt-PA投与群のsICAM-1値が非t-PA投与群に比較して、有意に高値を示した。以上より急性心筋梗塞の発症過程においてsGMP-140およびsICAM-1が有意に上昇し、血管内皮細胞-血小板および白血球との接着分子機構の存在が示唆された。t-PA投与群のsGMP-140値が非t-PA投与群より低値であったことは、血栓溶解により血小板の接着能が改善されたことと関連し、またt-PA投与群のsICAM-1値が非t-PA投与群より高値であったことは、血栓溶解時の再疎通および炎症反応などと関連しているものと推測された。
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