1994 Fiscal Year Annual Research Report
ファロ-四微長期術後症例の心室遅延電位と不整脈の研究(体表面微小電位と電気生理学的検査を比較検討して)
Project/Area Number |
05770515
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 誠一 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (40242416)
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Keywords | ファロ-四微 / 体表面微小電位 / 心室頻拍 / 心室性不整脈 / 心室遅延電位 |
Research Abstract |
ファロ-四微(TOF)術後の右室流出路の心筋障害を体表面電位図という悲観血的検査法で診断し、長期術後に発生しうる危険な心室性不整脈を予測することを目的とした。 体表面電位図の検出にはフクダ電子社製VCM-3000を用い、Vector Magnitude(VM)法とMultiphasic Oscillation(MO)法を記録した。特にMO法では第3肋間胸骨左縁にreferenceを置き、右室流出路近傍の微小電位の選択的な検出も試みた。心室性期外収縮が頻発する症例には、電極カテーテルによる心内膜からの電気生理学的検査(EPS)もしくは再手術時に心表面からのEPSを施行し、心室頻拍(VT)の誘発と遅延電位(LP)の検出を試みた。 一般に用いられているVM法の診断基準では、右脚ブロックを呈するTOF術後例での判定は困難で、偽陽性が多数認められた。一方MO法では、持続する微小電位を右室流出路近傍に認めた症例を経験した。EPSを施行した全例にプログラム刺激によりVTを誘発でき、その特徴からすべてLPを有する回帰性頻拍と診断できた。その症例の約80%に、MO法で右室流出路近傍に微小電位を認めた。 以上のことから、MO法で記録できる右室流出路の微小電位は、EPSで惹起されるVTをある程度予測できると思われた。今後さらに症例を重ねることで、MO法はTOF長期術後に発生しうる危険な心室性不整脈を予測する有用な検査法となりうると考えた。
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