1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05770564
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
七条 孝三郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10201542)
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Keywords | 神経細胞 / 肥満細胞 / アレルギー / 神経因子 |
Research Abstract |
小児期に発病する各種アレルギー性疾患ではその発症機序として、肥満細胞より放出される化学物質に加えて、神経因子の関与、すなわち末梢組織における肥満細胞-神経線維終末部間のシグナル伝達物質の遊離が病態形成のひとつとして重要であると考えられている。本研究は、この経路の最初のステップッである肥満細胞-神経終末部、言い換えれば肥満細胞-神経細胞間のCell-to-Cell interactionの系をin vitroにおいて確立し、アレルギー性病態の発現に関与する神経因子の役割を解明すると同時に、このスッテプを遮断する新しい抗アレルギー剤の開発を目標とした基礎的実験を試みた。 1.神経系細胞としてのヒト神経芽細胞腫株HTLA230、あるいはラット褐色細胞腫株PC12細胞を、ラット肥満細胞株RBLとともに培養した。なお培養にあたっては、両者の細胞外環境をよりin vivoのそれにより近づけるため、細胞を我われの確立したラット平滑筋細胞R_<22>Cl-Fによって産性された3次元生物学的基質上にてco-cultureした。 2.co-cultureでは各細胞を10^4Cells/60mmDishの濃度で播き、かつ10%牛胎児血清を含むDMEM中で3日間培養を行うと、神経系細胞と肥満細胞とが観察に適した細胞接触を形成することがわかった。 3.この条件下においては電子顕微鏡的に、両種細胞間に種々の細胞接着装置をもった形態学的細胞接触の存在が確認された。 4.現在、co-cultureの神経細胞側を神経栄養因子にて活性化し、あるいは、肥満細胞側をIgE添加に続く各種抗原刺激にて活性化することにより、それぞれの細胞側に如何なるシグナルが伝達されるかを細胞内カルシウム動態を指標に検討している。
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