1994 Fiscal Year Annual Research Report
HLA-DQ拘束性アレルゲン抗原特異的T細胞クローンによる免疫応答の調節
Project/Area Number |
05770594
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 次郎 千葉大学, 医学部, 助手
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Keywords | HLA-DQ / T細胞クローン / アレルゲン |
Research Abstract |
T細胞はIL-4やIL-5を産生しIgE抗体産生と好酸球活性化を調節すると考えられているが、これらサイトカイン産生能とT細胞活性化におけるMHC拘束性との関連は不明である。そこで、スギ花粉症患者からHLA-DQ拘束性スギ抗原特異的T細胞クローン(TCC)を作成し、その機能を解析した。TCCは、スギ花粉症患者の末梢血単核球をスギ抗原で刺激し限界希釈法により樹立した。MHC拘束性は各種抗HLA classII抗体による阻害試験で検討した。サイトカイン産生能はTCCを4000rad照射した末梢血単核球の共存下でスギ抗原と3日間培養した上清中のIFN-r、IL-4、IL-5を検討した。In vitro IgE抗体産生は、B細胞を単球とT細胞と共にスギ抗原刺激下に10日間培養した上清中のIgEをRIAにて測定した。まずこのTCCの細胞表面マーカーはCD3+、CD4+、TCRalphabetaのヘルパーT細胞でCD29+、CD45RO+のメモリー細胞であった。このTCCのスギ抗原による増殖反応は抗HLA-DQ抗体で抑制され、抗HLA-DR抗体と抗HLA-DP抗体では抑制されなかった。サイトカイン産生能は抗原刺激によりIFN-r、IL-2、IL-4、IL-5全てを産生しTh0細胞のサイトカイン産生を示した。さらに本TCCの共存下ではIgE抗体産生が抑制され、この抑制は抗IFN-r抗体により解除された。以上から、HLA-DQ拘束性T細胞クローンは機能的にIFN-r産生優位であり、アレルギー性炎症に抑制的に機能することが示唆される。
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