1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05770669
|
Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
岩崎 俊子 福井医科大学, 医学部, 助手 (40203369)
|
Keywords | MRI / 傾斜磁場法 / 骨塩定量 / 骨梁 |
Research Abstract |
高齢化社会を迎え、骨の老化としての骨粗鬆症が大きな問題となろうとしている。骨強度には骨塩量のみならず骨梁構造も関与する。臨床上、骨塩定量装置を用いて骨塩量を測定し骨強度の指標としているが、骨梁構造についてはほとんど検討されていない。MRIの高速撮像法であるgradient echo法では磁化率の異なる界面において磁場が乱される(susceptibility 効果)。これを利用し、骨内の骨梁界面積及び形状を解明し得るか検討を行った。 家兎腰椎を1.5T超伝導MRIを用い、gradient echo法にて撮像し、得られた信号強度よりsusceptibility効果の指標である1/T2*を求めた。同固体、同部位の骨塩量を骨塩定量装置HOLOGIC QDR=1000を用いて測定した。同固体の腰椎を摘出し、固定脱灰包理後、MRIと同じ方向に薄切し、染色の後、得られた標本を画像解析装置を用いてデジタル化し、骨梁密度及び骨梁表面積を求めた。以上により得られたデータの相関を検討した。 組織標本より求めた骨梁密度と1/T2*の間には有意な相関が認められた。また組織標本より求めた骨梁表面積と1/T2*の間にも弱い相関が認められた。しかし、1/T2*と骨塩量の間には明らかな相関は認められなかった。 以上の結果より、1/T2*は骨梁密度、骨梁表面積を反映していると考えられた。1/T2*と骨塩量との間に相関が認められなかったが、これは骨塩定量装置は臨床機であったため、家兎の腰椎のような小さい対象に対してはかなり誤差が大きくなったものと考えられた。というのは、以前の我々の研究では正常ボランティアでは骨塩量と1/T2*の間に有意な相関が認められたからである。 1/T2*は骨梁密度、骨梁表面積を反映し得る有用な方法であると考えられた。
|