1993 Fiscal Year Annual Research Report
^<99m>Tc-HAMPAOを用いた、種々 の刺激による局所脳血流の変化の検討
Project/Area Number |
05770691
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
南部 一郎 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90198408)
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Keywords | ^<99m>Tc-HMPAO / 局所脳血流 / 刺激負荷 |
Research Abstract |
[目的]99mTc-HMPAOによる局所脳血流を正常者において負荷前、種々の刺激負荷後を比較し、局所的な血流変化を検討した。 [方法]正常ボランティアにおいて、無負荷2名、音楽負荷2名、言語暗唱負荷1名、単純光負荷1名、vibratorによる振動負荷(軽度の痛覚負荷)1名の負荷中に99mTc-HMPAO370MBqを投与、その後SPECT撮像した。負荷前に施行した閉眼安静状態でのSPECT像(99mTc-HMPAO370MBq使用)を負荷後像からサプトラクションし、局所脳血流の変化を検討した。また軽度の健忘患者2名において、言語暗唱負荷を同様に施行し検討した。 [結果および考察]正常ボランティアにおける検討:無負荷2名においては負荷前はほぼ均一な分布を呈し、サプトラクション後の像とほぼ変化見られなかった。音楽(軽音楽)負荷の2名では、負荷後に側頭から頭頂にかけての血流増加の所見が得られた。左右差は明らかではなかった。言語暗唱負荷(三宅式記憶負荷)では弁蓋部付近と前頭葉の軽度血流増加が見られた。上側頭回付近も若干亢進していた単純光負荷では両側後頭葉の視覚領野の明らかな血流増加が見られた。右手掌のvibratorによる振動負荷(軽度の痛覚負荷)では左頭頂部付近の若干の血流増加が疑われた。両側レンズ核の血流も軽度亢進様であった。健忘症例における検討:健忘症候群2名における言語暗唱負荷(三宅式記憶負荷)では、1名において左弁蓋部、右上側頭回、左前頭前野の血流増加、1名においては両側の弁蓋部、上側頭回の血流増加が見られた。しかし健忘が軽度であったためか、正常者との差ははっきりしなかった。
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