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1993 Fiscal Year Annual Research Report

摂食障害者におけるセロトニン系細胞内情報伝達機能の検討

Research Project

Project/Area Number 05770726
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

石田 百合  広島大学, 医学部・付属病院, 助手 (90232321)

Keywords摂食障害 / セロトニン / 神経性食欲不振症 / 神経性過食症 / 感情障害 / 細胞内カルシウムイオン濃度 / 血小板
Research Abstract

中枢セロトニン神経細胞のモデルとされるヒト血小板は、セロトニン2受容体を持ちイノシトールリン脂質代謝系を介して細胞内カルシウムイオンを動員させることが知られている。感情障害患者の血小板でこの反応が亢進していること、摂食障害患者では感情障害との類似性が想定されていることから、摂食障害患者の血小板を用いてセロトニン刺激による細胞内カルシウムイオン濃度上昇反応を検討した。
対象は、未服薬の摂食障害(DSM-III-R)女性患者14例である。内訳は神経性食欲不振症7例(AN群、平均21.0±2.0歳)、神経性過食症7例(BN群、平均20.0±1.1歳)で、健康な女性10例(平均24.7±0.7歳)を対照とした。方法は、静脈血とACD液を9:1の割合で混合し、200g、10分間の遠心により得た血小板濃厚浮遊液にfura-2/AM(4muM)を添加して、37℃、15分間インキュベーション後、650g、15分間遠心して血小板沈査を得た。これをHEPES緩衡液に浮遊させ、分光蛍光光度計を用いてセロトニン刺激による血小板内カルシウムイオン濃度上昇反応を検討した。
その結果、静止時の血小板内カルシウムイオン濃度は対照群(61.2±3.9)と比較してAN群(71.1±5.9)、BN(6.3±3.7)群とともに有意な変化は認めなかった。セロトニン刺激後の血小板内カルシウムイオン濃度の増加は対照群(74.9±ts3.9)と比較してAN群(60.4±5.0)で有意な変化を認めなかったが、BN群(102.4±9.7)で有意な亢進(P<0.05)を認めた。
以上の結果から神経性過食患者でセロトニン2受容体介したカルシウムイオン上昇反応の亢進を認め、中枢でのセロトニン神経系の亢進が推測され、過食症と感情障害との間のセロトニン神経系を介した病態の類似性が推定された。

URL: 

Published: 1995-05-17   Modified: 2016-04-21  

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