1993 Fiscal Year Annual Research Report
移植造血幹細胞の骨髄定着に関与する間質細胞接着因子の研究
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05770812
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
内田 秀夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20193899)
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Keywords | 骨髄間質細胞 / ホ-ミング・レセプター / 造血幹細胞 / モノクローナル抗体 / T細胞関連抗原 |
Research Abstract |
1.ヒト骨髄間質細胞株KM-101細胞膜中のmannose-rich fractionを免疫源として作製したマウスモノクローナル抗体STR-50,STR-68の2クローンは,immunoisolation法により血小板gpIIb/IIIaと同様の分子量をもつ蛋白を認識した。しかし抗原量が極めて微量であるため,蛋白の同定のために抗原量を増やして検討中である。 2.ホ-ミング・レセプターを介した骨髄間質細胞と造血幹細胞の接着を表現する系を確立するための基礎実験から,細胞接着にはカルシウム,cell viabilityが必須であり,またT細胞関連抗原の必要性が示唆された。 3.一方,2.の系はSTR-50,STR-68の存在に影響を受けなかった。モノクローナル抗体は現在順次作成中であり,新たな抗体も加えてスクリーニングを行う予定である。 4.健常ヒト骨髄単核細胞を,KM-101と接着させた結果,約2%の細胞が幹細胞と考えられるCD34_+/lin_-細胞であった。これは健常ヒト骨髄中のCD34_+/lin_-細胞の割合と比較して有意に高く,確立された系は幹細胞を濃縮すると考えられた。またCD3_+細胞が6%接着しており,2.の結果と併せ,今後ホ-ミングレセプターとT細胞関連抗原との関連を調べる予定である。
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