1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05770858
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
遠藤 隆 昭和大学, 医学部・小児科, 助手 (00231192)
|
Keywords | 腸管血流 / 新生児 / 上腸間膜動脈 / 腹腔動脈 / 初回経口摂取 / 超音波ドップァー法 |
Research Abstract |
1.早期新生児期の腸管血流の経時的変化 成熟正常新生児100例を対象に新生児早期(日齢0〜5日)の上腸間膜動脈の血流速度の変化について検討し,また上行大動脈,下行大動脈の血流変化についてもあわせて検討し比較した.上腸間膜動脈の血流は生後次第に増加した.生後24時間までは拡張期血流度の増加が著しく,動脈管閉鎖を反映していると考えられた.その後も上腸間膜動脈の血流は増加したが、上行大動脈,下行大動脈の血流速度の変化とは異なっており,血流速度の増加は血流分配の変化によると考えられた. 2.正常新生児における初回経口摂取後の腸管血流の変化 上腸間膜動脈と腹腔動脈の血流変化を,5%グルコースと人工乳の異なる2種の摂取物を用いて,正常成熟新生児を20例を対象として検討した.上腸間膜動脈では,収縮期最高血流速度と平均血流速度は摂取後5%グルコース,人工乳いずれでも増加したが,人工乳でより長時間増加していた.拡張終期血流速度は平均血流速度と似た変化を示した.腹腔動脈では,収縮期最高血流速度は5%グルコース,人工乳のいずれも摂取後に増加したが,人工乳摂取後により長時間増加した.平均血流速度は5%グルコース摂取後は明らかな変化を示さず,人工乳では有意に増加した.拡張終期速度は平均血流速度と似た変化を示した. 成人での報告と同様に成熟新生児の初回経口摂取においても摂取後の血流増加が認められ,また摂取内容に違いにより腸管血流の変化に違いがみられることが明らかとなった.
|