1993 Fiscal Year Annual Research Report
肝門部神経遮断によるギャップ結合の変動と糖代謝への影響
Project/Area Number |
05770876
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宮内 勝敏 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (60219722)
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Keywords | コネクシン / ギャップ結合 / 除神経 |
Research Abstract |
肝移植においては、肝門部交感神経はすべて切離されるが、これに起因する糖代謝異常は認められないとされている。このことは、神経終末の直接作用以外の補助的機構の存在が窺われ、この機構の一つとして、肝細胞間ギャッ結合の作用が注目されている。本研究は、神経終末刺激の補助的機構としてのギャップ結合の役割をより鮮明にする目的で行った。 モルモットの肝門部に85%フェノールを塗布することにより肝門部交感神経を破壊し,神経破壊後,7,14,21日のギャップ結合蛋白コネクシン26,32をSDS/PAGEの後,Western-Blotting,Autoradiographyにより定量した。神経破壊から7日,14日においてはコネクシン26が正常の1.5倍に増加するが、21日においては正常に回復する。一方コネクシン32は変動しない。85%フェノールを塗布による神経破壊は可逆性であり破壊後20日前後で回復することから,コネクシン26の変動は,神経破壊と関連するものと考えられた。しかし,今回行った定量法では,50%の増加を有意とする精度に欠けるため,mRNAの定量とギャップ結合機能の測定法であるinvivo dye transfer法による補足実験を現在行っている。 ギャップ結合と神経刺激の関係は四塩化炭素投与,および肝切除後再生肝における肝門部交感神経の電気刺激によりギャップ結合が消失した状態の肝臓における潅流法により検討されている。この方法を用いて除神経後の肝潅潅流を行う予定である。
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