1993 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺癌モノクローナル抗体(JT-95)による血清診断の確立
Project/Area Number |
05770898
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
長原 修司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50218020)
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Keywords | 甲状腺 / モノクローナル抗体 / 血清診断 |
Research Abstract |
甲状腺癌モノクローナル抗体(JT-95)による血清診断の確立 本年度はまず当科で開発した甲状線癌モノクローナル抗体JT-95、JT-09、JT-10を血清診断に応用するためこれら3種類の抗体を組み合わせてELISA assay系を作製した。これらELISAに抗原としていくつかの甲状腺癌患者血清、甲状腺癌細胞株 SW-1736培養上清、甲状腺良性疾患患者清を使用しどの組合せが血清診断に最適かを検討した。この結果-次抗としてJT-95、二次抗体としてJT-95-biotinの組合せが最適と判断できたこのため次のステップとしてこの組合せを使用して血清のマススクリーングを施行中である。今回は現在結果が判明したところまで報告する。 対象と方法>1.対象:使用した血清は1988年から1992年まで4年間に当科を受診した甲状腺疾患患者144例から採取したもの使用した。 2.方法.ELISAプレートを使用し、まず1次抗体としてJT5をプレート上に塗布した。次に採取した血清をプレートにのせ1次抗体と反応させた。さらに2次抗体としてJT95にNHS-Biotinを共有結合させたものを1次抗体と血清との反応が終了したプレートと反応させるサドイッチアッセイ法をおこなった。評価方法としては正常血清176例使用し標準偏差(S.D.)を求め2S.D.値をカットオフ値として設定し、2S.D.値以上を陽性とした。<結果>甲状腺癌術前症例41例では21例(51%)が陽性であった。これに対し非癌病変である慢性甲状腺炎では0例中3例(33%)、腺腫様甲状腺腫27例中7例(26%)、腺腫0例中0例(0%)、Cyst 12例中0例(0%)Iに陽性値を認めた。甲状腺癌再発例については、15例中12例(80%)に陽性値を認めた。同時におこなったwestern blotting法による血清中の抗原物質の解においてはJT95は分子量約105000の蛋白質と反応した。
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