1993 Fiscal Year Annual Research Report
P^<31>-MRS法による阻血障害膵の細胞内エネルギー代謝に関する研究
Project/Area Number |
05770900
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
北島 久視子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60246535)
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Keywords | 膵保存 / 膵阻血障害 / ATP / Monophosphate ester |
Research Abstract |
(研究目的)虚血時における膵組織のエネルギー代謝を明らかにするために,Magnetic Resonance Spectroscopy(MRS)を用い細胞内高エネルギー燐酸化合物を測定した。 (方法)1.Wister系ラットを用い全膵を摘出後36°Cの温阻血をおき継続的に細胞内高エネルギー燐酸化合物(無機燐,ATP,monophospate ester)を測定した。 ラット燐灌流モデルを作成し,灌流中の膵組織内細胞内高エネルギー燐酸化合物を測定した。尚,MRS測定は大塚電子社せいMPS80/250を,灌流装置はDivision of Animark社製PERFUSER 2Perfusion systemを使用した。また,灌流液はKrebs-Henseleit solutuonを使用した。 (結果)1.膵温阻血障害:温阻血開始直後よりbeta-ATPは低下し10分以内で測定不能となった。それに伴い無機燐(Pi)は増加した。Monophosphate ester(MP)も除々に低下したが,温阻血120分においても前値の50%に保たれていた。Piの化学シフトより算定した細胞内PHは阻血後30分で7.15まで低下し阻血後120分で6.95まで低下した。 2.灌流実験:至適灌流量を設定するために灌流量を1-10ml/min.に変化させMRAを測定した。灌流量2ml/min.において最も良好なスペクトルが得られた。この灌流量においては灌流3時間後においても良好なスペクトルがえられた。 (考察)従来膵は温阻血障害にたいして弱い臓器の一つであると言われていたが,エネルギー代謝の面からみると他の腎や肝に比べてより阻血に強いことが明らかになった。今回,膵灌流モデルの作成を行ったが,灌流量2ml/minにおいて良好な細胞内燐スペクトルがえられた。
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