1993 Fiscal Year Annual Research Report
免疫修飾物質(BRM)の術前 術中 脾臓投与による肝転移予防の臨床的研究
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05770929
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
大森 浩二 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70240950)
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Keywords | 肝転移予防 / BRM / 脾臓内投与 / 術前投与 / 術中投与 |
Research Abstract |
1.消化器癌の肝転移に対して、近年積極的な治療が行なわれているが、十分満足な結果は得られていない。 肝転移予防方法を研究するため、マウス人工的肝転移モデルを作製し検討を行なってきた。実験データより、BRM(biological responsp modifiers)を手術中に脾臓内投与することが異時性肝転移の抑制につながる可能性が示唆されたので、臨床的に応用を行い、結果を報告する。 消化器癌手術症例を15例選び、BRMを投与しない群(3例)、術中のみ投与する群(4例)、術前のみ投与する群(5例)、術前と術中に投与する群(3例)に分けた。術前と術後第一日目の末梢血リンパ球サブセットをモノクローナル抗体二重染色によりcytotoxic T細胞、suppressor T細胞、IL2レセプター陽性細胞をフローサイトメトリーで検討した。 術前免疫療法は、OK-432なら計20KE以上皮内投与、レニチナンなら8mg以上、PSKなら21g以上投与を原則とした。術中免疫療法は、OK-432を脾臓内へ5KE投与した。 3.IL-2セレプター陽性細胞に比率の変化では、術後第1日目は低下する傾向にあるが、術前投与群では比較的低下の程度は少ない傾向であった。 iytotoxic T細胞の変化では、投与なし群では低下するが、術中投与群と術前投与群で上昇する傾向を認めた。 seppressor T細胞の変化では、投与なし群で術後上昇傾向を示すが、術前あるいは術中投与群では低下傾向を認めた。 術中脾臓内へのOK-432 1回投与は、術後早期のcytotoxic T細胞の比率を上昇させ、また術前や術中に免疫療法を行なうことでsuppressor T細胞の比率を低下させ得ることが判明し、異時性肝転移抑制の一端を担うものにつながるのではないかと考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大森浩二: "術中BRM投与による肝転移予防の実験的検討" BIOTHERAPY. 6. 759-761 (1992)
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[Publications] 大森浩二: "術中OK432脾臓内投与による肝転移予防の検討" 癌と化学療法. 19. 1445-1448 (1992)
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[Publications] 大森浩二: "周術期における肝転移発見と抑制に関する実験的研究" 京都府立医科大学雑誌. 102. 1001-1015 (1993)