1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05770947
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
三森 教雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20181935)
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Keywords | 胃癌 / 化学療法 / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
われわれの施設では、進行胃癌に対してneoadjuvant chemotherapyとしてシスプラチンを中心とした術前動注化学療法を行い、肉眼的、組織学的効果を判定しているが効果を示さない症例も経験する。そこで免疫組織学的手技を使って胃癌組織における薬剤耐性の特徴を明らかにすること、更に術後再発形式としては腹膜再発、肝転移が多いがそれらを予防する手段を検索する目的でそれぞれの担癌実験動物モデルを作製し、臨床例の腹膜播種、肝転移組織の特性を解析し、効果的である治療法を見出だすことを目的し研究を行っている。胃癌培養細胞株KATO IIIを CO2 incubator を用いて継代培養し、これらの培養細胞を用いてヌードマウスの腹腔内、脾臓内に注入し、腹腔転移株肝転移動を作製している。手術的に転移株を取出し、再度、腹腔内および脾臓内に注入しそれぞれ腹腔転移、肝転移高頻度株を作製しP-糖蛋白質の発現部位、頻度を検索しているが現在のところ胃癌細胞においては、P-糖蛋白質の発現が少なく、良好に染色されない。 各細胞の特性をThymidineのアナグロであるBromo-deoxyuridine を用いて免疫組織染色を行い、癌細胞の増殖能の変化を調べたところ、胃癌組織ではS期の細胞の比率を示す標識率が上昇しており(術前化学療法非施行胃癌組織 13.4%、術前化学療法施行胃癌組織 6.6%、正常胃粘膜5.7%)、癌細胞において増殖能が高まっており、術前化学療法によりそれが低下する傾向にあった。 さらに研究わ続け、胃癌細胞における悪性度と腫瘍細胞の特徴、薬剤耐性について生物学的特性を明らかにしたい。
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