1993 Fiscal Year Annual Research Report
AFP産生胆嚢癌細胞株の浸潤転移と細胞接着分子の関連についての基礎研究
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05770960
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
丸岩 昌文 久留米大学, 医学部, 助手 (40241179)
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Keywords | AFP産生胆嚢癌 / CD44 / ICAM-1 / 細胞株 |
Research Abstract |
私はコラゲナーゼ消化法によりAFP産生胆嚢癌から、AFP産生細胞株(KMG-C)及び、AFP非産生細胞株(KMG-A)を樹立した。両細胞株は同一癌より樹立された細胞株であるが、異なる細胞学的特異性を示した。すなわちKMG-C細胞は、AFPを含んだ種々の蛋白の分泌能を有しDoubling timeで示される増殖速度は早く、DNAindexも高値であった。一方KMG-A細胞は、KMG-C細胞より分泌蛋白数は少なく、増殖速度は遅く、DNAindexも低値であった。これらの細胞学的特性の異なる二つの細胞を用いて、癌の増殖転移に関する分子の研究を行った。 両細胞のヌードマウスへの移植能の検討では、KMG-C細胞は、皮下、復腔内、及び静脈内移植にて約60%の腫瘍生着率を示した。KMG-A細胞は、いずれの移植法においても、腫瘍の増殖は観察期間中に認められなかった。KMG-C細胞は、特に静脈内移植にて肺に著しい腫瘍形成が認められた。 両細胞の各種接着分子の発現を、フローサイトメトリー法にて解析した。 KMG-C細胞はICAM-1陽性、CEA陽性、CD44弱陽性,LFA-1陰性であり、KMG-A細胞は、ICAM-1弱陽性、CEA陽性、CD44弱陽性,LFA-1陰性であった。SDC-PAGEによる両細胞の分泌能及び膜蛋白の検討では、少数のバンドのみ検出された。 現在両細胞の各種Ligandとの接着能及び抗CD44抗体、抗ICAM-1抗体を用いたKMG-C細胞のヌードマウス移植能へのInhibition testを施行中である。
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