1993 Fiscal Year Annual Research Report
自己骨格筋ポンプを使用した長期使用可能な携帯型ECMDシステムの開発
Project/Area Number |
05770989
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
後藤 昌弘 順天堂大学, 医学部, 助手 (10234999)
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Keywords | 自己骨格筋ポンプ / ECMO / 補助循環 |
Research Abstract |
従来より当施設において開発した順天堂大学型携帯用骨格筋刺激装置を用い、雑種成犬2頭の右広背筋に対し2ヶ月間の電気的トレーニングを施行した。これら2頭の電気的トレーニングを行った広背筋を用い、骨格筋心室大小2種類を作製した。大型骨格筋心室は、小児用アンビューバッグの周りに広背筋を巻つけ、小型骨格筋心室は、広背筋をロール状に巻き中にコンドームを挿入し作製した。なお、いずれの骨格筋心室も流入部および流出部に弁を挿入した。これらの骨格筋心室を前負荷10mmHg、後負荷40mmHgの条件下で各種刺激条件で駆動し、模擬循環回路でポンプの拍出特性を検討したが、いずれのポンプにおいても当初目標とした1〜2L/minの拍出能力を得なかった。このため、小型外部灌流方式膜型肺との組み合わせによるECMOシステムの検討は行なえなかった。今回、骨格筋ポンプの目標の拍出能力を得られなかった理由としては、実験の都合上vascular delayをおかなかったこと、骨格筋ポンプのコンプライアンスの不足(passive fillingでは不十分)、刺激装置の出力不足等か考えられた。したがって今後の改善点としては、出力を増加させるように刺激装置の改良を行なう、電気的トレーニング時にポンプを作製し十分なvascular delayをおく、active fillingを行なえ、かつ胸腔内埋め込み可能な小型deviceの開発をおこなうことが重要であると考える。今回の実験では目標とする拍出能力をもつ骨格筋ポンプの作製が行なえなかったが、かかる点の改良を行なえば1〜2L/minの拍出能力をもつ骨格筋ポンプの開発は可能であると考え、今後も前記の点について検討を続ける予定である。
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