1993 Fiscal Year Annual Research Report
経頭蓋磁気刺激による分節的脳幹機能評価に関する検討
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05771038
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
後藤 和宏 慶應義塾大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (70225647)
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Keywords | magnetic stimulation / brain stem / cat |
Research Abstract |
成猫を用い、三叉神経運動枝、顔面神経、副神経の経頭蓋磁気刺激誘発筋電図の基本波形を記録した。 1.三叉神経運動枝に関する検討-咬筋にて、三叉神経の末梢部を磁気刺激することによる筋電図を記録した。この筋電図の被刺激部位を確認するため、側頭部の開頭後、頭蓋内で三叉神経を直接電気刺激し記録された筋電図との潜時を比較した。また、露出された三叉神経を脳幹部出口より順次末梢に向かい切断し、磁気刺激誘発筋電図を記録した。以上の研究より被刺激部位が卵円孔入口部であることが解明された。磁気刺激コイルの位置、刺激強度を変化させ皮質神経核路の刺激による誘発筋電図の記録を行った。現在、この筋電図が安定して記録できるコイルの至適部位、至適刺激強度を同定している。 2.顔面神経に関する検討-口輪筋にて、顔面神経を直接刺激する短潜時筋電図と、皮質神経核路を刺激する長潜時筋電図とを記録した。 (1)短潜時筋電図の被刺激部位を三叉神経同様に、顔面神経管内にて顔面神経を直接電気刺激する実験と、顔面神経の切断実験とにより、内耳道低部であることを確認した。 (2)後頭蓋窩を開頭し小脳橋角部にバルーンを挿入し脳幹部に圧迫負荷をかけ、磁気刺激筋電図と聴性脳幹反応を記録した。経頭蓋磁気刺激誘発筋電図の短潜時筋電図に変化は認めなかったが、長潜時筋電図は圧迫負荷に伴い潜時の延長、振幅の低下、消失を認め、脳幹部の機能評価として有用であることが解明された。 3.副神経に関する検討-僧帽筋にて筋電図を記録し、副神経を直接刺激する筋電図が記録された。この被刺激部位も同様に検討した。その結果、副神経が脳幹部より離れる部分であることが予測された。
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