1993 Fiscal Year Annual Research Report
いわゆる肩凝り症の病態について 筋肉圧と筋血流の立場から
Project/Area Number |
05771102
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
柴田 陽三 福岡大学, 医学部・付属病院・整形外科, 講師 (50226180)
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Keywords | intramuscular pressure / compartment syndrome |
Research Abstract |
肩凝り性の病態は今なお明らかでなく本研究は肩凝り性の病態解明を目的とする。下腿コンパートメント症候群や明らかな神経の異常を伴わない腰痛症においてはその病態が筋区画内圧の上昇にあると言われてきている。肩の張りや硬結を伴う肩凝り性も障害筋肉内が慢性的に上昇し、それに伴って筋肉局所の循環障害を来たしているのではないかとの仮説をもとに筋肉内の内圧を測定した。 (対象並びに方法) 肩関節に明らかな異常や疾患の既往をもたない健常人5名5肩をコントロールとし、肩凝り性群としては明らかな腱板断裂、拘縮、インピンジメント症候群をもたない、いわゆる肩凝りのみを呈する者10名10肩を対象とした。 測定法は圧トランスデューサー(ミラーカテテ-ル16G)を局所麻酔下に僧帽筋内に挿入し筋内圧を測定した。測定肢位は下垂位安静肢位及び肩すくみ50回、肩甲面挙上90度における把握動作50回前後の筋内圧を測定した。 (結果) 安静下垂位時:健常人で5±3mmHg(平均±SE)で、肩凝り性群では7±5mmHgで有意差は見なかった。 肩すくみ:肩すくみ運動中の最高筋内圧は健常人で120mmHg±40mmHgで肩凝り性群は150mmHg±50mmHgを示し有意の差は認めなかった。運動負荷中止後は健常人で速やかに安静時の筋内圧に復帰した(4sec±2)、肩凝り性群では有意に遅延していた(7sec±4)。 肩甲面挙上90度:把握運動中の最高筋内圧は健常人で80mmHg±40mmHgで肩凝り性群では100mmHg±30mmHgで、肩凝り性群で高い傾向を示した。運動負荷中止後は健常人では速やかに安静時の筋内圧に復帰したが(5sec±2)が、肩凝り性群では有意に遅延していた(8sec±8)。 運動負荷中止後の筋内圧の低下は肩凝り性群で遅延を示し、筋区画内部での圧低下を障害する局所の循環障害の存在が示唆された。
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Research Products
(1 results)