1993 Fiscal Year Annual Research Report
揮発性麻酔薬のイヌ腸間膜動脈平滑筋筋小胞体に対する作用
Project/Area Number |
05771159
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
吉山 毅 和歌山県立医科大学, 麻酔学教室, 助手 (50240362)
|
Keywords | 揮発性麻酔薬 / 血管平滑筋 / 筋小胞体 / ハロセン / イソフルレン / セボフルレン |
Research Abstract |
揮発性麻酔薬は、骨格筋の筋小胞体(SR)からのCa^<2+>放出を促進し、悪性高熱症の引き金となる。心筋細胞に於ては、ハロセンはSRよりCa^<2+>を遊離させる結果SRのCa^<2+>量を減少させ、心筋の陰性変力作用に関与することが知られている。しかし、揮発性麻酔薬の血管平滑筋のSRに与える影響に関しては殆ど知られていない。本年度は、SRよりCa^<2+>を遊離させるカフェイン(CAF)を用いて、イヌの摘出腸間膜動脈におけるハロセン(H)、イソフルレン(I)及びセボフルレン(S)のSRに対する影響を比較検討した。 1.摘出イヌ腸間膜動脈のリング状標本をKrebs Ringer(KR)液中で2g静止張力下に懸垂し、その等尺性張力変化を記録した。2mM EGTA添加Ca^<2+>除去KR液中で、35mM CAFを投与してSRのCa^<2+>を枯渇させた後に実験を開始した。20分間KR液中でSRにCa^<2+>を取り込ませ、10分間2mM EGTA添加Ca^<2+>除去KR液で処置した後、CAF 25mMを投与して一過性収縮を得た。麻酔薬は、Ca^<2+>取り込み時、およびCAFによるCa^<2+>遊離時に、Hを1〜2%、I及びSを2〜4%投与した。 2.Ca^<2+>取り込み時にH(1及び2%)を処置した標本では、CAF収縮は対照に比べ有意に小さかった。又、Ca^<2+>遊離時にHを同時に処置した標本では、CAF収縮は有意に大であった。I及びS(2及び4%)は、Ca^<2+>取り込み時に処置した場合にもCa^<2+>遊離時に処置した場合にも、CAF収縮の大きさに有意の変化を与えなかった。15EA04:3.以上の結果より、Hは血管平滑筋に於いてSRのCa^<2+>取り込みを抑制することが示された。IとSではSRのCa^<2+>取り込みの抑制は認められなかった。また、HはCAFによるSRからのCa^<2+>遊離に対し相加的に作用することが示された。IとSではこのような相加作用は認められなかった。
|
Research Products
(1 results)