1993 Fiscal Year Annual Research Report
猿陰茎深動脈周囲ファータ-パチーニ小体の神経経路、神経活性物質の免疫電顕的研究
Project/Area Number |
05771196
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
寺田 勝彦 大分医科大学, 医学部, 助手 (10236995)
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Keywords | ファータ-パチーニ小体 / 神経活性ペプチド / 勃起 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
雄日本猿の、陰茎動脈より分枝した直後の陰茎深動脈周囲にはファータ-パチーニ小体の多数の集簇が認められ、免疫組織科学的にその外棍に神経ペプチドであるVIP、CGRPの共存を認め、SPは陰性であった。ファータ-パチーニ小体は圧覚ヤ振動覚、特に100c/sのhigh frequency vibrationの受容に関係があるとされる。同小体の集簇が陰茎深動脈周囲に存在し、その外棍に神経ペプチドであるVIP、CGRPが陽性を示した事は、同部のファータ-パチーニ小体が血流、すなわち勃起の調節因子として大きく関与していることが示唆された。さらに局所神経支配様式を詳しく解明するため、勃起を喚起するといわれるアセチルコリンとVIPとが、このファータ-パチーニ小体にいかなる形で存在するかを免疫電顕学的に追究するとともに、平滑筋を収縮させ勃起を終息させるとされるアドレナリンならびに神経ペプチドであるNPYとの関連を免疫組織化学的および免疫電顕的に追究をすすめる。 麻酔下に雄日本猿ファータ-パチーニ小体存在部位にHRPを注入し48時間の生存期間をおいた検体より抽出した脊髄を、TMB法で組織科学的処理を行い観察すると、L_7S_1レベルに陽性所見が得られた。 さらに今回の研究より雄日本猿の骨盤神経節内には、VIP、CGRP、SP陽性を示す神経細胞が確かめられている。 今後HRP注入による同小体の下腹神経ならびに陰部神経より脊髄、さらに中枢神経へ到までの神経経路の解明を進めるとともに、陰茎局所における神経支配様式の解明の一助として今回免疫組織化学として用いたPAP法よりさらに高感度であるIGCC法をあわせ用い検索をすすめている。
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