1993 Fiscal Year Annual Research Report
腎血管性高血圧ラットに対する心房性Na利尿ピプチドとベラパミールに影響について
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05771202
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
坂 宗久 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50244702)
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Keywords | ラット / 腎性高血圧 / 腎不全 / レーザー血流計 / 1腎1クリップ / リコンビナント-心房性Na利尿ペプチド |
Research Abstract |
ラットにおける1腎1クリップによる腎血管性高血圧を伴う腎不全ラット(RVHラット)を作成し、またその腎障害ラットに対しリコンビナント心房性Na利尿ペプチド(r-ANP)の投与(ANPラット)による血圧および腎機能に対する影響を検討した。 右腎摘出前の左腎動脈のサブクランプにより、腎表面血流はクランプ前の約3/1に低下したが、2週間目においては腎表面血流は改善傾向を示し、処置前より低下していた。しかし、腎重量は湿重量で約1.2倍に代償性肥大傾向を示していた。 血圧の変化はRVHラットはコントロールラットに比較して有意な上昇を示したが、ANPラットはRVHラットに比較して有意な血圧低下が認められ、コントロールラットとほとんど有意の差を認めなかった。血漿レニン活性については、RVHラットはコントロール群に比較して有意ではないが上昇傾向を示し、またANPラットにおいてはRVHラットに比較して低下傾向を示した。 糸球体機能を示すイヌリンクリアランスは、RVHラットはコントロール群に比較して低下傾向を示したが、ANPラットではRVHラットに比較してほとんど変化を認めなかった。一方、腎血流量を反映するパラ馬尿酸クリアランスにおいては、RVHラットはコントロールラットに比較して、低下傾向が認められたが、ANPラットにおいては改善傾向が認められた。 以上により、この実験によるレーザー血流計を用いた1腎1クリップによる腎血管性高血圧を伴う腎不全ラットの作成は、腎血流低下が確実に得られ、単腎による腎不全モデルとしての有用性が認められると共に、1腎1クリップ腎不全ラットに対するr-ANP投与の腎機能に対する有用性が得られたものと思われる。
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