1993 Fiscal Year Annual Research Report
マウス腎細胞癌に対する活性化骨髄細胞移植による抗腫瘍効果の実験的検討
Project/Area Number |
05771208
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
坂本 善郎 順天堂大学, 医学部, 講師 (10175367)
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Keywords | Renca / 骨髄移植 / 活性化骨髄細胞移植 |
Research Abstract |
1.担癌マウスの作成:(1)BALB/cマウスの自然発生腎細胞癌Rencaを細切し、単細胞浮遊液を調整した。(2)Renca細胞5x10^5個/0.04mlを、ネンブタール麻酔をしたBALB/cマウスの腎被膜下に注入して移植した。この担癌マウスの群を第1群とした。 2.骨髄細胞移植:(1)正常BALB/cマウスの大腿骨および頸骨より骨髄細胞を採取し、骨髄細胞浮遊液を調整した。(2)骨髄細胞2x10^5/0.5mlを、上記担癌BALB/cマウスの尾静脈よりゆっくり静注して骨髄移植を行い、これを第2群とした。 3.IL-2により活性化した骨髄細胞の移植:(1)BALB/cマウスより採取した骨髄細胞を、IL-2(1x10^6cells/1000units/ml)でin vitroで4日間培養し、活性化骨髄細胞を得た。(2)第2群と同様に、この活性化骨髄細胞2x10^5/0.5mlを担癌マウスの尾静脈より静注して骨髄移植を行ない、これを第3群とした。 4.結果:(1)担癌マウス(第1群)を4週で屠殺し、Renca腫瘍の増殖を検索したところ、増殖の程度は症例により不均一であった。また、転移は腫瘍が著しく増殖していても、全例認められなかった。(2)癌死したと判定した症例の平均生存日数は、第1群52.5日、第2群56.5日、第3群46.0日であった。 5.考察および今後の研究計画:(1)担癌マウスの腫瘍増殖が不均一であったのは、腎被膜下への腫瘍の注入が手技的に難しい点が考えられる。症例を増やし、確実に生着し、かつ均一に増殖する様に手技的な習熟が必要である。(2)今回の結果では、活性化骨髄細胞を移植した第3群が最も生存日数が短かった。活性化した骨髄細胞の性質について、細胞免疫学的に詳細に検討必要がある。(3)IL-2による骨髄細胞活性化の至適投与量のin vitroおよびin vivoの検討。(4)骨髄細胞移植の至適投与量および投与法(IL-2の追加投与など)の検討。(5)autologous GVHDの検討。
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