1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト黄体化ホルモン構造異常症に対する生化学的・分子生物学的解析
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05771241
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
花井 一夫 名古屋大学, 医学部, 助手 (40242870)
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Keywords | 黄体化ホルモン / 免疫学的測定法 / PCR / シークエンシング / 生物学的活性 / 遺伝子異常 |
Research Abstract |
1.黄体化ホルモン(LH)に対するモノクローナル抗体(Spac LH RIA kit)を用いた免疫学的測定法にて、血清LHが測定不能であった5例の患者より採血し、リンパ球を分離後、ゲノムDNAを抽出した。polymerase chain reaction(PCR)法で、このゲノムDNAよりLHbeta鎖DNAの各エクソンを増幅した。アガロース電気泳動法により増幅された各エクソンの大きさを正常LH遺伝子と比較したが、明かな遺伝子の欠損は認められなかった。 2.TA-cloning kitを用い、増幅されたLH-beta鎖のDNAをクローニングした。各クローンDNAに塩基配列をシークエンシングしたところ、トリプシン^8(TGG)がアルギニン(CGG)に、またイソロイシン^<15>(ATC)がセレオニン(ACC)に変異していることが明かとなった。 3.これらの変異により、制限酵素の切断部位が変化することが明かとなったので、患者家族のゲノムDNAも同様に処理し、restriction-fragment-length polymorphism法により遺伝子異常の有無を調査した。その結果、患者家族内にheterozygoteの存在が明かとなり、遺伝的経路も解明された。さらに、免疫学的測定法により、heterozygoteはその血清LHの測定値が正常者の約半分であることが観察された。 4.この変異LHの生物学的活性を、マウス精巣細胞を用いたin vitroにおけるテストステロン産生能により測定したが、正常LHとの間に差異は認められなかった。
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[Publications] Furui,k: "Identification of Two Point Mutations in the Gene Coding Luteinizing Hormone(LH)beta-Subunit,Associated with Immunologically Anomalous LH Variants" J.Clin.Endocrino1.Metab.78. 107-113 (1994)