1993 Fiscal Year Annual Research Report
家兎におけるレーザードップラー法による蝸牛血流に関する研究
Project/Area Number |
05771315
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅見 清孝 名古屋大学, 医学部, 助手 (60242872)
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Keywords | レーザードップラー法 / 蝸牛血流 / 脳血流 / CO_2+O_2 |
Research Abstract |
今回我々は、家兎において、レーザードップラー血流測定用プローブを2基用いることにより、蝸牛血流と脳血流とを同時に測定し、O_2+CO_2を吸入させたときの変化を測定した。 〈方法〉家兎を、ネンブタール麻酔下に気管切開し、人工呼吸器に接続し、耳介静脈より持続点滴、大腿動脈より血圧モニター行ない、ミオブロックを併用して全身麻酔管理した。この状態にて、中耳腔を開放し、蝸牛に相当する部位にレーザードップラーのプローブを当て、また、頭頂部の頭皮と骨膜を切除し、もう1基のプローブを当て、同時に測定を行なった。O_2100%で測定開始し5分以上観察した後、10%CO_2+90%O_2に吸入を開始し、血圧(BP),脳血流(CBF),蝸牛血流(CoBF)を観察し、3分の時点でCO_2を中止しO_2100%に状態に戻し5分以上観察した。同様の操作を15%CO_2+85%O_2と20%CO_2+80%O_2について行なった。〈結果〉CO_2負荷開始時点を基準値として、15秒ごとの数値をこの百分率で表してBP、CBP、CoBPそれぞれの変化を観察した。BPは、いずれの濃度においてもほとんど変化はみられなかった。 CoBFとCBFはCO_2が低濃度では変化が少ないものの、高濃度ではCoBFは減少傾向、CBFは増加傾向を示した。〈考擦〉CO_2吸入により脳血流が増加するのは、成書の通りの結果となった。しかし、CO_2高濃度において同時に測定した蝸牛血流はこれとは明らかに違った変化、即ち減少傾向を示した。この結果は、我々の用いているレーザードップラーが骨の変化を除いた深部の血流を測定していることと、CO_2 高濃度負荷は蝸牛に頭蓋内とは違った変化を与えるのではないか、という考えを示唆する。
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Research Products
(1 results)