1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05771358
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉原 重光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90210749)
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Keywords | 聴神経腫瘍 / 術後早期 / 顔面神経機能 / 長期予後 |
Research Abstract |
腫瘍摘出術を施行し、顔面神経の解剖学的保存が可能であった一側性聴神経腫瘍症例11例を対象として、日本顔面神経研究会提唱の40点評価法を用いて術後早期(術後60日目まで)の顔面表情点数の変化を詳細かつ経時的に記録した。そして術後早期顔面表情点数による顔面神経機能の長期予後予測が可能であるか否かにつき、対象を術後5日間までの顔面表情点数の最低点(術直後顔面表情点数と呼称)により、A群:10点未満、B群:10点以上20点未満、C群:20点以上30点未満、D群:30点以上の4群に分類して検討し、以下の結果を得た。 1.A群3例では、検討期間中に明らかな顔面表情点数の回復は認められなかった。 2.B群1例では、術後10日目より顔面表情点数の低下が認められ、術後早期最終評価時にも明らかな回復は認められなかった。 3.C群3例では、術後約10日目より一過性の顔面表情点数の低下が認められたが、術後早期最終顔面表情点数は平均36.0点と著明な回復を示した。 4.D群4例では、その後も麻痺はほとんど認められなかった。 5.C群およびD群(術直後顔面表情点数20点以上)は長期予後も良好である可能性が高いものと推定され、術直後顔面表情点数により、長期予後良好群を選別することがある程度可能であると考えられた。 6.A群及びB群(術直後顔面表情点数20点未満)については、顔面神経麻痺の回復程度につき、さらに詳細に追跡評価する必要があるものと考えられた。
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Research Products
(1 results)