1993 Fiscal Year Annual Research Report
眼内レンズ移植における前嚢混濁の形態学的変化および予防についての研究
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05771409
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菅井 滋 九州大学, 医学部, 助手 (00187626)
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Keywords | 水晶体上皮細胞 / 眼内レンズ / PCNA / EGF |
Research Abstract |
前嚢混濁は水晶体上皮細胞の増殖であることは確認されている。今回、その経時的変化について猿眼を用いて観察してみた。水晶体上皮細胞の増殖は眼内レンズと前嚢が接している部位では術後2〜3日目に水晶体上皮細胞の分裂像が確認され、術後1週間目には数層の上皮細胞が見られ、その後、3カ月、9カ月と細胞は変性し、細胞外成分が増加し、これらの細胞外成分、特に膠原線維が前嚢混濁の主因となると考えられた。また、前嚢と後嚢が接している部位は水晶体上皮細胞の増殖は見られるが、術後数カ月経過しても細胞外成分の増加は見られず、嚢混濁は起こらなかった。次に細胞の増殖について実験を行った。 兎眼の水晶体嚢外摘出術を行い、眼内レンズを移植し、術後早期に眼球摘出を行い、水晶体嚢をホルマリン固定後、PCNA(proliferating cell nuclear antigen)を用いてEGF(epidermal growth factor)を検出してみた結果、術後、ごく早期に水晶体前嚢下にEGFが検出され術後4日目まで検出された。現在、水晶体上皮細胞の増殖抑制について兎眼を用いて研究中である。今後は更に水晶体上皮細胞の増殖抑制を眼内レンズの性状、薬物などを考慮して検討して行きたい。
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