1993 Fiscal Year Annual Research Report
低カルシウム培養液を用いた新しい網膜色素上皮細胞の培養方法の確立
Project/Area Number |
05771415
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮良 長治 琉球大学, 医学部, 助手 (90219824)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / カルシウム濃度 / 牛胎児血清 |
Research Abstract |
1)牛胎児血清の濃度に関する結果。 Medium199に1%bovine retinal extracts,insulin(10mug/ml),transferrin(5mug/ml),hydrocortisone(20nM),triiodothyronin(1nM),putrescine(0.3mug/ml),linoleic acid(0.3muM;complexed to bovine serum albumin),bovine serum albumin(10mug/ml)を加えると1%fetal bovine serumで培養可能であった。しかし、ヒト網膜色素上皮細胞では十分生育したが、ニワトリ網膜色素上皮細胞では増殖は弱く、なかなかconfluentにならなかった。 2)低カルシウム下での網膜色素上皮細胞の培養結果 上記の培養液ではヒト網膜色素上皮細胞は0.1mMのカルシウム下では培養可能で、細胞は増殖してconfluentになると浮遊してきた。この浮遊してきた細胞を別の培養皿に移すと、しばらくは培養皿に付着して増殖しconfluentになるとまた浮遊してきた。つまりトリプシンなどを使わなくても継代が可能であった。0.9mMでは細胞は培養皿に付着して生育し、浮遊しなかった。ニワトリ胚網膜色素上皮細胞は0.1mMの低カルシウム下では増殖不可能で、1.8mMとかなりの濃度を必要とした。 以上よりヒト網膜色素上皮細胞は0.1mMカルシウム下で、無血清培養は不可能であったが1%にまで牛胎児血清の濃度を落とすことができ、トリプシンを使用なくても継代できた。ニワトリ胚網膜色素上皮細胞は同条件では不可能で、網膜色素上皮細胞の培養に関しては種差が存在することが明らかとなった。
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