1993 Fiscal Year Annual Research Report
視神経炎、緑内障、および後頭葉障害患者における空間和と動的静的視野解離の関係
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05771438
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
尾 〓 雅博 東京医科大学, 医学部, 助手 (10246225)
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Keywords | 静的動的視野解離 / 空間和 |
Research Abstract |
生理的SKDの計測を行うため、眼疾患の既往が無く、眼科的検査で異常を認めない正常者10例を対象に45度、135度、225度、315度経線上に沿った動的および静的視野計測を施行した。動的視野計測ではHumphrey Field Analyzer(HFA)の動的プログラムを用いて、視標サイズIII、視標輝度le(25dB)の視標を各経線上に沿って4度/secで求心的に動かし、3回ずつ測定し平均を求めた。静的視野計測では各経線上をサイズIIIの視標を用いて7度間隔(0-56度)で閾値計測を行い、測定結果から回帰直線を求め動的視標と同一輝度の視標が識別される座標を求め、SKDの量を計測した。空間和(SS)の計測では、同一検者に対しHFAの24-2プログラムをサイズIIIとVの視標を用いて視野計測を行い、各測定点の感度差(V-III)より空間和を求めた。これらより、0-90度、90-180度、180-270度、270-360度の4象限と視野全体の空間和の平均を求め、対応する経線のSKDとSSの関係を求めた。 視野の解析では、左眼はすべて右眼に変換し、正常者を40歳未満(5例、平均年齢28.4歳)と40歳以上(5例、平均年齢59.2歳)の二群に分け比較した。45度、135度、225度、315度経線上のSKDの平均(度)は、40歳未満ではそれぞれ15.8、15.4、12.8、1.1、40歳以上ではそれぞれ15.2、17.0、16.7、8.9となった。これに対応する各象限のSSの平均(dB)は、40歳未満ではそれぞれ4.8、4.8、5.0、4.3、40歳以上ではそれぞれ5.4、5.1、5.1、5.0となった。視野全体のSKDとSSの平均は、40歳未満ではそれぞれ11.3、4.7、40歳以上ではそれぞれ14.4、5.1となった。以上より、315度経線上のSKDは他の経線に比べ小さく、同一象限のSSも他の象限にくらべ小さくなる傾向を示し、視野全体では年齢が高いほど、生理的SKDは大きくなり、SSも大きくなる傾向を示すことがわかった。これから更に正常者の対象を増やし、患者のSKDとSSの関係についの比較検討する予定である。
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