1993 Fiscal Year Annual Research Report
培養網膜色素上皮細胞における塩素イオン輸送の調節機構
Project/Area Number |
05771454
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
藤本 恭平 関西医科大学, 医学部, 助手 (00219049)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / 細胞内塩素イオン濃度 / サイクリックGMP / ANP / NO / グアニル酸シクラーゼ / Na^+ / K^+ / 2C1^-共輸送 |
Research Abstract |
(1)白色家兎の網膜色素上皮細胞(RPE)の細胞内塩素イオン濃度([C^-]i)は、81mMであり、細胞内塩素イオンの濃縮が認められた。 (2)レセプターを介して細胞内サイクリックGMP濃度を上昇させる心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP・10^<-10>M)、一酸化窒素(NO)を化学的に遊離し細胞内に直接作用してサイクリックGMP濃度を上昇させる、ニトロプルシド(3×10^<-4>M)は、RPEの[C1^-]iを増加させた。 (3)ANPとニトロプルシドによる反応は、グアニル酸シクラーゼの阻害薬であるLY83583(10^<-5>M)、サイクリックGMP依存性プロテインキナーゼの阻害薬であるKT5823(10^<-6>M)、およびNa^+/K^+/2C1^-共輸送体による塩素イオン取り込みの阻害薬であるブメタニド(5×10^<-5>M)により抑制された。 (4)細胞内でサイクリックGMPを生成する、8-Br-cGMPは、RPEの[C1^-]iを持続的に増加させた。 (5)選択的な塩素イオンチャンネルの阻害薬であるIAA-94(10^<-6>M)は、RPEの細胞内塩素イオン濃度を上昇させた。 以上の結果から、ANPおよびNOはRPEのグアニル酸シクラーゼを活性化し、セカンドメッセンジャーであるサイクリックGMPの濃度の上昇を引き起こし、さらにサイクリックGMP依存性プロテインキナーゼによる何等かの蛋白の憐酸化を介してNa^+/K^+/2C1^-共輸送体を活性化することで、細胞内塩素イオン濃度を上昇させることが示唆された。
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