1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05771456
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
藤東 祥子 久留米大学, 医学部, 助手 (30229017)
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Keywords | 実験的アレルギー結膜炎モデル / 明朗飲 / 小青竜湯 |
Research Abstract |
Wister系雄性ラットの眼瞼結膜に、抗卵白アルブミンラット抗血清を50mul注射し、48時間後に1%卵白アルブミン(含0.5%エバンスブルー)を3ml/kg尾静脈より静注し、結膜アナフィラキシ-を惹起する。コントロール(Gl:生食水)と小青竜湯(G2:250mg/kg G3:500mg/kg G4:1000mg/kg)は抗血清注射の1週間前より内服を開始し、抗原投与の日まで行った。アナフィラキシ-反応惹起30分後、反応部位を摘出した。色素を抽出後、620nmの吸光度値を測定した。G1とG2,G3,G4の吸光度を比較し、抑制率を求めた。 G3はアナフィラキシ-反応を58%抑制した(p<0.05)。G4はアナフィラキシ-反応を77%抑制した(p<0.01)。G2は抑制する傾向はあったが有意差はなかった。小青竜湯は用量依存的に結膜アナフィラキシ-反応を抑制することが証明された。組織的には、瞼結膜中の肥満細胞の顆粒放出をみているが、印象としては用量依存的に抑制されているようである。現在、統計学的に有為差があるかどうか検討中である。また、ヒスタミンの測定は組織が少量であるため、十分な検体が得られにくく、ブラッシュサイトロジーなどで、より多くの細胞を採取する方法を模索している。 明朗飲では、上記と同様のモデルを用いた実験においてはアナフィラキシ-反応を抑制しなかった。しかし、モデルの種を変えることによって、アレルギー反応が起きやすく場合もあるので、今後モルモットなどを用いて行ってみたい。 また、今回は、小青竜湯、明朗飲とも投与量を変えただけだったが、漢方薬投与から抗原投与までの時間を種々に設定してアレルギーの抑制に差がでるかを確認していく予定である。
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