1993 Fiscal Year Annual Research Report
小児口腔より分離した薬剤耐性グラム陰性桿菌の外膜透過性
Project/Area Number |
05771504
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
大宮 真紀 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (30177000)
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Keywords | 小児 / プレボテラ / beta-ラクタマーゼ / beta-ラクタム剤耐性 / 外膜透過性 |
Research Abstract |
学童期の小児4人から分離したpenicillin G(PCG)耐性菌57株(分離当時 (1990年)のPCGの最小発育阻止濃度(MIC)が100ug/ml以上)のbeta-lactam剤耐性機構として外膜透過性を検討した。 供試菌株を生化学的性状試験、API ZYMおよびDNA相同値によって同定するとPrevotella melaninogenica、P.denticola、P.loescheii、P.intermediaおよびPrevotella species(P.sp)に区分された。 供試菌のbeta-lactam剤耐性機構の一つである外膜透過性の障害は、1/2〜1/4MICのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA-2Na)または四ナトリウム塩(EDTA-4Na)をMIC測定用寒天平板に添加して調べ、EDTAを添加した場合のMICが無添加時のMICの1/4以下になった菌株を外膜透過性に障害が認められる菌株として、その割合(外膜透過性の障害率)を求めた。供試菌株に対するEDTA-2NaのMICは12.5〜1600ug/mlに分布し、MIC400〜800ug/mlに全供試菌の80%が分布していた。EDTA-4NaのMIC分布も同様の傾向を示した。PCG、アンピシリン(ABPC)、セファゾリン(CEZ)、セファクロル(CCL)およびセフテラム-ピボキシル(CFTM-PI)に対して供試菌の9〜13株が外膜透過性に障害を示した。菌種ごとの外膜透過性の障害率はP.melaninogenicaではPCG、ABPC、CEZ、CCLおよびCFTM-PIでそれぞれ27、25、38、0および23%であった。P.spでもそれぞれ37、28、55、29および30%で認められたが、ラタモキセフではこの障害はまったく認められなかった。
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Research Products
(1 results)