1993 Fiscal Year Annual Research Report
超音波断層像デジタルサンプリングによる動的画像解析
Project/Area Number |
05771558
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
上野 寛司 長崎大学, 歯学部, 助手 (10223489)
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Keywords | 超音波 / 動画像 / デジタル化 |
Research Abstract |
超音波は、実時間で生体内部の様を映像化でき、動きを観察することができる。しかしながら現在のところ、動的な画像情報は十分に定量化されていない。今回、我々は、既存の超音波装置を使用し、その映像情報のデジタル化システムを構築した。また、その応用として、歯科領域に関係のある唾液腺のうちで耳下腺に注目し、既存の造影剤や生理的食塩水などを注入することで、そのデジタル画像における濃度の変化を調べた。 (方法)耳下腺にカテーテルを接続し、一定の位置に超音波プローブを固定し、規格化の基で生理的食塩水、非イオン性尿路血管造影剤イオパミロン300を注入し、その超音波断層像を超音波装置に接続したVTRにて録画する。その超音波画像をパーソナルコンピュータ内に、ビデオ キャプチャリングボードを介し、VTRにおけるアナログ信号をデジタル信号へ変換し蓄積する。そして、その動画像データを、画像処理用ソフトへ読み取り、耳下腺の濃度の変化を調べる。また、注入量の異なる2つの画像でサブトラクションを試みる。 (結果)1)超音波VTR画像におけるアナログ信号を、デジタル信号として蓄積するシステムを構築した。 2)超音波VTR像と比較して若干の画像の劣化は認めるものの、診断に耐えられる画像が得られた。また、得られた連続画像の関心領域内の濃度変化などの計測を自動化して求めることができた。 3)今回のシステム構築におけるモデルとして生食、既存造影剤を、耳下腺に注入しその濃度の変化を求めたが著名な変化は示さなかった。また、サブトラクションによる画像処理を試みたが、変化の検出はできなかった。今後、唾液腺への造影剤の応用にあたっては、更なる検討が必要であると考えられる。
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