1993 Fiscal Year Annual Research Report
Porphyromonas gingivalisの血清型による比較検討-特にchymotrypsinlike proteaseについて-
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05771629
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
音琴 淳一 日本大学, 歯学部, 助手 (40214168)
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Keywords | Porphyromonas gingivalis / Chymotrypsinlike protease |
Research Abstract |
歯周疾患に関与しているPorphyromonas gingivalisは種々のproteaseを産生しいおり、このうち4種の菌株については同種の酵素すらわち細菌の組織内侵入に際し、上皮細胞に直接障害を与え、基底膜の主要成分であるtypeIV collagenあるいはラミニンを分解するchymotrypsinlike proteaseの産生を確認した。そこでさらに他の血清型に基ずく本酵素の比較及び本酵素産生遺伝子の解析を目的として実験を行った。 通法に基き各菌株よりchromosomal DNAを抽出し、Sau3A1にてpartial digestionし、クローニングベクターを用いてclone bankを作製した。こののちスクリーニングによりchymotrypsinの人工基質であるSAAPNAを加水分解しうるクローンを選択すると共に、それぞれのpositive cloneをベクターに組み替えた後に本酵素産生をコードする遺伝子の特定されるものを決定した。この結果、どの血清型においても本酵素を産生する遺伝子が存在することおよびそのクローンを特定できたのち遺伝子解析(塩基配列の解析)を行うと共に、各菌株間のchymotrypsinlike protease遺伝子の相似性を知るためにハイブリダイゼーションを行った結果、遺伝子解析の結果の一部と合わせて本酵素を産生する遺伝子構造には各血清型相互間の類似性が示された。 現在、塩基配列の解析及び本酵素タンパクの精製を行っており、そののち歯肉結合組織成分であるコラーゲンおよび歯肉由来上皮細胞および線維芽細胞への影響をも検討を予定している。
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