1993 Fiscal Year Annual Research Report
TIMP-1とコラゲナーゼ活性の歯周病診断におけるdisease activityマーカーとしての可能性に関する研究
Project/Area Number |
05771662
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
早川 祐久 愛知学院大学, 歯学部, 助手
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Keywords | TIMP-1 / コラゲナーゼ活性 / 抗TIMP-1モノクロナル抗体アフィニティーカラム / TIMP-1フリーサンプル |
Research Abstract |
(目的)歯周病患者の初診時および初期治療終了時の前唾液中のTIMP-1量と抗TIMP-1モノクロナル抗体アフィニティーカラムを通過させたTIMP-1フリーアンプルを用いてコラゲナーゼ活性を測定し、比較検討を行い、歯周病診断におけるTIMP-1量とコラゲナーゼ活性が歯周病のdisease activityマーカーとしての可能性があるかを検討することを目的とする。 (結果)抗TIMP-1モノクロナル抗体アフィニティーカラムを通過させたTIMP-1フリーアンプルを用いた初期治療後のコラゲナーゼ活性は初診時の活性と比較して、活性型コラゲナーゼ活性と総コラゲナーゼ活性の両者において有意に減少した。逆に、TIMP-1量は初期治療後に上昇した。 (考察)治療を行なうことによってコラゲナーゼ活性は減少した。これは以前の報告と同じであるが、今回はTIMPフリーのサンプルで検索をしていることに意義がある。我々は以前に前唾液中のコラゲナーゼ活性は歯肉溝滲出液(GCF)由来であるという報告をしている。初診時の活性が初期治療終了後に有意に減少しているのは、炎症のコントロールができGCFが減少したためであると考えられる。また、TIMP-1量が上昇したのは、おそらく、GCF中の好中球エラスターゼによるTIMP-1の選択的分解が減少したためであると思われる、今回は症例数が少ないのと初期治療終了時で最終段階まで治療が進行していないが、歯周病診断におけるTIMP-1量とコラゲナーゼ活性が歯周病のdisease activityマーカーとしての可能性があると思われる。今後症例数を増やし、メインテナン時ではたして健常者のレベルになるかを確認したい。
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