1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05771666
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
相沢 隆 北海道大学, 歯学部, 助手 (40221030)
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Keywords | 多数歯欠損症例 / シミュレーションモデル / 偏心運動 / 同時多点荷重 / 圧力センサー |
Research Abstract |
現在、多数歯欠損症例において機能および審美性を回復させるために主として局部床義歯が用いられている。 局部床義歯を用いた補綴処置では、機能圧を支台歯および顎提粘膜へ適正に分散させることが、良好な予後を得るための重要な要件となっている。 そこで、上顎多数歯欠損症例を想定したシミュレーションモデルを用い、咬頭嵌合位および側方偏心位における支台歯および義歯床における荷重分散量と変位を経時的に測定し、各種デザインおよび各種咬合様式の局部床義歯における動態を比較検討することとした。 今回は、左右犬歯および第2大臼歯の4歯残存症例および片側の第2大臼歯が欠損した3歯残存症例において検討した。維持装置はコ-ヌスクローネ、エーカースクラスプの2種類、偏心運動時の咬合様式には、グループファンクションを設定し垂直定荷重を負荷した。荷重の分散量は支台歯歯根部に設置した圧力センサーで、変位量が3次元座標測定器によって測定した。 その結果、エーカースクラスプではコ-ヌスに比較し荷重の遍在と義歯床の傾斜移動が大きく認められ特に偏心位において著名であった。このことは、維持装置の支台歯との連結強度の差が大きく影響しているものと考えられた。 今回の研究結果の一部は、第91回日本補綴歯科学会学術大会において発表予定でです。 今後はさらに、1歯および2歯残存症例を想定したシミュレーションモデルを用い、偏心運動時の咬合様式として両側性平衡咬合、犬歯誘導を加えさらに検討する予定です。これらより多数歯欠損症例において予後良好な義歯を設計、製作するための要件を明らかにしたいと考えています。
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