1993 Fiscal Year Annual Research Report
顎機能異常者のために、脳波を利用したバイオフィードバックシステムの開発
Project/Area Number |
05771699
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水野 幹生 九州大学, 歯学部, 助手
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Keywords | 顎機能異常 / 脳波 / バイオフィードバック |
Research Abstract |
顎口腔系における慢性疼痛の原因のひとつである、咀嚼筋の不随意的な過緊張は、精神的因子の関与が強いと考えられる。そこで脳波との関連を考える上で、まず手始めとして、顎機能になんら異常を認めない正常有歯顎者、男女9名について、精神活動と関係があるといわれているalpha波とtheta波について検討を行った。脳波計測は静かな暗室中の歯科治療椅子上で仰臥位をとり、呼吸を整え、できるだけリラックスして瞑想状態をとるように指示を与えた。そして、5分計測して5分休憩を6回繰り返し、最初と最後のセッションのデータを検討対象とした。なお、alpha波は後頭部より、theta波は前頭部より導出し、検出した脳波信号をフィルターに通しalpha帯域とtheta帯域を取り出し、そのTime%を求めた。 その結果、alpha波の最初のセッションのTime%の平均は22±9%。最後は32±9%。theta波は最初15±14%。最後は17±18%であった。このように、alpha波は繰り返しにより増加する傾向があり、theta波はばらつきが大きく、評価対象として適さないことがわかった。 今後さらに被験者を増やし、これらの結果について検討を行うとともに、脳波の単位時間当たりの平均振幅値や平均波数他のパラメーターについても検討を行いたい。また、咀嚼筋の過緊張による慢性疼痛を有する患者について、同様な検討とともに、前述の方法の5分間休憩の間に咀嚼筋の触診を行い、alpha波のTime%の変化と咀嚼筋症状の変化との関係についても検討を行っていく予定である。
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