1993 Fiscal Year Annual Research Report
MRIによる関節円板の動態-側方滑走運動について-
Project/Area Number |
05771716
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
清野 晃孝 奥羽大学, 歯学部, 講師 (20171316)
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Keywords | MRI / 関節円板 / 側方滑走運動 / アンテリアルガイダンス |
Research Abstract |
咀嚼運動を抑制する因子としてのアンテリアルガイダンスのうち,特に側方滑走運動時に注目し,関節円板との関連を追究した. 材料と方法 1.被験者:個性正常咬合を有し,顎機能に異常を認めない成人4名 2.MR画像検査:MRIの撮像はMRP7000,0.3T(日立メディコ社製)とTMJコイル(直径9cm)を用いてgradient echo法により行った.撮像は咬頭嵌合位,犬歯尖頭接触位および側方運動時作業側のアンテリアルガイダンス傾斜角度の40%増,60%増の片側4フェイズとした. 結果 1.咬頭嵌合位における関節円板と下顎頭の位置関係は,矢状面では後方肥厚部が下顎頭の関節面に位置していた.前頭面では,下顎頭の外形が曲型的な凸型の場合は外側に比して内側が厚く,陥凹型の場合は中央部に最大の厚みを認めた.2.犬歯尖頭接触位では作業側下顎頭は下顎窩の中でやや前方に位置し,関節円板は内側の厚みが微増していた.一方,非作業側では下顎頭中央部上の厚みが増加した.60%増の場合は下顎頭中央部から外側に移動し,40%増ではその中間位を呈していた.3.アンテリアルガイダンス傾斜角度の40%増,60%増における側方滑走運動時非作業関節円板の挙動は,矢状面では下顎頭は前下方に移動するが,関節円板の後方肥厚部は常に関節面部に接していた.前頭面では咬頭嵌合位において下顎頭の内側に存在していた関節円板は傾斜角度の増加にともない漸次外側方向に移動した.それは,側方滑走運動時において非作業側下顎頭の上部内側面が咬合力を負担する状況にあり,アンテリアルガイダンスの傾斜角度を増加した場合,関節円板の位置は外側に移動するため,力学的不調和の誘発が懸念される.
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