1993 Fiscal Year Annual Research Report
歯学教育におけるfeather-touch preparationの習得効果
Project/Area Number |
05771745
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
今井 敬晴 鶴見大学, 歯学部, 助手 (10168502)
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Keywords | 支台歯形成教育 / feather-touch preparation / 軸面傾斜角 |
Research Abstract |
支台歯形成を行なううえで、その基本ともなるfeather-touch preparationは、殆んどの学生には身に付いておらず、この原因は、永久歯模型の切削感の習慣が関与しているものと思われる。そこで、本研究は硬度の異なる永久歯模型を用い、feather-touch preparation習得効果を検討し、臨床教育の向上を目的とし、行なった。 冠橋義歯学Phantom実習を終了した本学学生153名に対し、臨床術式に即したシュミレーションモデルを用い、各種硬度別永久歯模型に支台歯形成を行なわせ、片側軸面傾斜角、咬合面間距離、形成面の表面粗さ、形成量および総合評価の5項目の検討を行なった。 試料採得方法は、下顎左側第1大臼歯の永久歯模型を用い、硬度別にジポン歯、エポキシ樹脂歯、メラミンレジン歯、コンポジットレジン歯について、時間30分以内に規定し、全部鋳造冠の支台歯形成を行なわせた。また、試料採得時期は、臨床実習開始時、以後3ヶ月ごとに2回の補講を行ない、臨床実習終了時(1ヶ年後)の計4回とした。(補講なしのコントロール群は、開始時と、終了時の計2回とした。) その結果、片側軸面傾斜角は、開始時においては、Phantom実習中に使用していたメラミンレジン歯への慣れからか、メラミンレジン歯、エポキシ樹脂歯、ジポン歯の順に増大する傾向にあり、一方、コンポジットレジン歯では、いわゆる逆テ-パ-の形成となっていた。以後3回の結果、臨床実習における外来患者に対する日常歯科臨床の経験と、補講の効果が作用し、ジポン群、エポキシ樹脂群で良好な成積を示し、メラミンレジン群、コンポジットレジン群では、あまり変化はみられなかった。 この傾向は、他の項目においても認められることから、軟硬度の永久歯模型を用いて、トレーニングをPhantom実習から、導入し臨床にのぞむ方が、理想に近づくものと思われる。
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