1993 Fiscal Year Annual Research Report
全胎仔培養法を用いた口唇・口蓋裂発生抑制因子の解明
Project/Area Number |
05771840
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
木下 弘幸 愛知学院大学, 歯学部, 助手
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Keywords | 全胎仔培養 / 成長因子 / A / J系マウス / C57BL / 6系マウス |
Research Abstract |
まず第一に、全胎仔培養の環境を整える目的にてWistar-Imamichi系ラットを用いた全胎仔培養を行った。膣栓確認日を0日とて起算した、胎齢11.5日齢のラットをを用いNewの方法に従い培養を行った。培養装置としては池本理化社のrotate-systemを用い、培養液としては、Wistar-Imamichi雄ラットリタイアから採血した、Immediately-Centrifuged血清を用いた。途中、酸素投与量を調節しながら、心拍数・胎仔血液循環・胎盤血液循環などを観察した。培養開始より24時間後に卵黄嚢開放操作を行い、48時間後に培養を終了とし、胎仔の観察・頂殿長測定・尾体節数の測定を行い成長を評価した。最終的には、尾体節数18〜23、頂殿長7.2〜8.0mm程度の培養胎仔を得ることができ、培養中の心拍数・血液循環にも異常が観られなかったことにより、in-uteroとほぼ同じ成長を遂げた胎仔を得ることができたと考え、ラットにおける全胎仔培養の手技は確立できたものと考えられた。また、この胎仔の中には口唇・口蓋裂を発症した胎仔は全く認められなかった。次いで、当教室で飼育中のA/J系マウス・C57BL/6系マウスの胎齢10.5日よりの48時間培養を行ったが、これには安定した結果ず得られず、回転数の調節など種々の改良を加えた結果、改善を認めつつある段階となった。 本年度の成果は既述のごとくであるが、現在は培養液中の成長因子を測定中であり、この結果を踏まえて種々の成長因子を培養液中に添加し培養を進め、口唇・口蓋裂発生とのかかわりあいをさらに調査したい。あわせて、既知の成分下での培養、すなわち人工培養液の開発も必要であると考えこのことにも力を注ぎたい。
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