1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05771848
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
粟生田 俊彦 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (20241648)
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Keywords | バイオネーター / 上顎前突 / 顎運動 |
Research Abstract |
本研究では、成長期の上顎前突症患者に対して機能的顎矯正装置の1種であるバイオネーターを適用することにより下顎骨の成長促進を行い、装置適用前後の顎運動様相を明らかにするとともに、顎顔面の形態的変化との関連性について解析することを目的とした。被験者としては、Hellmanのdental ageがIIC〜IIB期であり、下顎骨の後方位をともなうskeletalClassIIと診断された女子5例を選択した。バイオネーターの適用前に、問診・触診・聴診による顎関節症状の確認、側面頭部X線規格写真による骨格パターンの解析、側斜位経頭蓋撮影写真による関節窩内における下顎頭位の確認、側頭筋・咬筋・顎二腹筋前腹の表面筋電図の採取、マンディブラ-・キネジオグラフおよびシロナソグラフ・アナライジング・システム(シーメンス社製)による下顎運動様相の記録を行った。顎関節症状に関しては各例とも開閉口障害、疼痛などの症状は認められなかった。関節窩内における下顎頭位も異常を示すものはなかった。筋電図に関しては、2例において片側咀嚼時に、また、1例において習慣性咬合において異常な筋活動が認められた。開閉口運動路咀嚼運動路に著しい異常は認められなかった。治療開始後6カ月においては、各例とも顎関節症状に関しては開閉口障害、疼痛などの症状の発現は認められなかった。関節窩内における下顎頭位に関しては、1例が前下方に、1例が下方に変化した。筋電図に関しては、異常な筋活動が認められた3例の内2例は改善する傾向を示した。開閉口運動路、咀嚼運動路に関しては著しい異常は認められなかった。今後は、さらに装置の適用を継続し経過観察するとともに、症例数を増加してより詳細な検討を行いたいと思っております。
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