1993 Fiscal Year Annual Research Report
尿中カテコールアミン代謝物による小児歯科診療時のストレス評価に関する研究
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05771860
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐久間 信彦 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50235206)
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Keywords | 歯科的ストレス / カテコールアミン / カテコールアミン代謝物 / 小児尿 / アドレナリン / ノルアドレナリン / ノルメタネフリン |
Research Abstract |
尿中のカテコールアミンとその代謝物が小児歯科診療時の患者のストレスを評価する指標になる可能性について明らかにするために以下の研究を行った。歯科治療に対し拒否・逃避反応を示す3歳から5歳までの健康な小児7名から,歯科治療の前後の尿を採取し,尿中のカテコールアミンであるAdrenaline(Ad),Noradrenaline(NAd),Dopamine(DA)とカテコールアミン代謝物であるVanilmandelic acid(VMA),Homovanillic acid(HVA),3,4-Dihydroxyphenylacetic acid(DOPAC),Normetanephrine(NMN),Metanephrine(MN),3-Methoxytyramine(MT)の分離定量を行った。なお各物質は濃度は尿中クレアチニン1mgあたりの量で表した。 結果 1.尿中カテコールアミンのうちAd,NAdは濃度が低く,代謝物であるVMA,HVA,NMNなどが多く存在していた。 2.治療の前後で,尿中カテコールアミンはNAdとAdが,また代謝物ではNMNが有意の増加を示した。 3.尿中に高濃度に含まれる最終代謝産物であるVMAやHVAをはじめ,NAd,AdやNMN以外の物質では一定の変化はみられなかった。 以上の結果より,尿中カテコールアミンであるNAd,Adと中間代謝産物であるNMNの治療前後における濃度変化が歯科診療時のストレス評価の指標になる可能性が示唆された。
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