1993 Fiscal Year Annual Research Report
食物硬度の差異が顎関節の成長発達に及ぼす影響に関する病理組織学的研究
Project/Area Number |
05771861
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小倉 勇人 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50233490)
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Keywords | ラット / 顎関節 / EDTA鉛 / 硬組織時刻描記法 / 粉末食 / 固形食 |
Research Abstract |
食物硬度の差異が顎関節の成長発達に及ぼす影響を検索する目的で以下の研究を行った。 1.生後3週齢のWistar系雄ラットを屠殺するある一定期間前にEDTA鉛を投与し,顎関節内のEDTAの沈着状況を観察し,鉛によるラベリングがラット顎関節の成長発達の指標となるかを検討した。 2.生後3週齢のWistar系雄ラットを,軟性食(粉末食)及び硬性食(固形食)の2群に分け飼育し,屠殺前にEDTA鉛によるラベリングを行い,屠殺後ラット顎関節を通法に従い切片標本を作成し,鉛ラベリング線を中心に検鏡した。 結果 1.ラット腹腔内に投与されたEDTA鉛は顎関節内にも徐々に沈着し,投与1時間では軟骨細胞層と骨組織との移行部,すなわち軟骨細胞層のhypertrophic zoneの肥大細胞間基質内に沈着した。 2.経時的にラベリング線は骨組織内に相対的に移動し,骨梁の改造現象に伴って次第に明瞭でなくなってしまう。 3.ラベリング線は投与後5日までは明瞭なことから,ラット顎関節の成長量を5日まで測定可能である。 4.軟性食(粉末食),及び硬性食(固形食)の2群間において実験期間12週まで有意な体重差は認められなかった。また,ラット顎関節の組織標本において成長量,成長方向,成長様式に,2群間で差異が認められるかを検討中である。
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