1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05771864
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
土橋 学 徳島大学, 歯学部, 助手 (40227426)
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Keywords | 歯間水平線維 / 力学的特性 / 培養 / 粘弾性 |
Research Abstract |
目的)矯正治療中の歯の即時変化や後戻りに特に関係が深い歯根膜線維と歯間水平線維のうち今回は歯間水平線維に着目し、同線維を培養系で再現し、力学的特性を検討した。 材料および方法)細胞は矯正治療の為に開窓を行ったヒトの歯肉よりアウトグロースした線維芽細胞を継代して用いた。これら細胞を矯正治療の為に抜歯した歯根のスライス(厚さ0.15mm)間で培養した。スライスは二個一組とし、一つは培養皿の一部を溶かして固定し、片方は約0.5mmの間隔を開いて静地した。20日間の培養の後スライスの周りをトリミングし、静地したスライスに各種荷重を付加した。荷重付加後および荷重除去後の変位量を計測し力学的特性を検討した。同時に、組織観察も行った。 結果)(1)20日間培養した組織は、二つの歯のスライス間を結ぶように線維芽細胞と膠原線維が密に走行して観察された。荷重が付加されるとスライス間距離は増し、細胞と線維はより直線的な排列となった。荷重除去後ではスライス間距離は減少し、細胞および線維は大きく波打って観察された。(2)5gまでの荷重の場合、荷重の大きさに比例して変位量は増し、5gを超えると線維の断裂がみられた。変位量は荷重付加後1時間で全変位量の約8割で、その後の変位はわずかであった。荷重除去後の変位に荷重の差はなく、除去直後に大きな変位があり、1時間でスライスが接しその後変位はみられなかった。 まとめ)培養系で得られた組織は、生態の歯間水平線維に類似しており、荷重付加時および荷重除去時の変化も同様のものであった。このモデルを用いて力学的特性を検討すると歯間水平線維は粘弾性を有しており、粘弾性係数は0.047MPaであった。。
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