1993 Fiscal Year Annual Research Report
車椅子身体障害者に対するスポーツの有効性に関する研究
Project/Area Number |
05780101
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
越智 秀樹 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助手 (60214160)
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Keywords | 車椅子スポーツ / 骨粗鬆症 / 骨塩定量 / 障害者 |
Research Abstract |
車椅子で生活する障害者は日常の運動量が非常に制限され、骨の脆弱化を基盤とした骨粗鬆症などが発生しやすいと考える。現在までに車椅子スポーツ(車椅子バスケット)が、骨の脆弱を抑え骨粗鬆症の予防となる客観的なデータは少ない。そこで本研究は骨塩定量装置を用い身体各部の骨塩量を測定し、車椅子スポーツが骨の脆弱化を防ぐための有用な手段であることを明確にすることを目的として行った。また筋力測定装置を用い上肢筋力も測定し骨塩量と筋力の関係をみた。 現在までの対象は車椅子生活の障害者17名のうち1.スポーツ郡(以下A郡)6名平均年令31才、2.非スポーツ郡(以下B郡)11名平均年令28才を対象とした。いずれも障害者等級1〜2級であった。 測定方法はA郡とB郡のそれぞれについて骨塩定量装置(XR-26,NORLAND社製)を用い第2〜第4腰椎部、大腿骨中枢端部そして橈骨遠位端部を計測し骨塩量をBMD(g/cm^2)として評価した。また上肢筋力はOG技研MUSCULATORを用い肘関節屈曲力を測定した。 その結果、第2腰椎ではA郡は平均1.138g/cm^2、B郡平均0.915g/cm^2。第3腰椎ではA郡平均1.037g/cm^2、B郡平均0.894g/cm^2。第4腰椎ではA郡平均0.987g/cm^2、B郡平均0.837g/cm^2。そして第2〜第4腰椎全体の骨塩量はA郡平均1.055g/cm^2、B郡平均0.885g/cm^2であった。また大腿骨髄部ではA郡平均0.723g/cm^2、B郡平均0.591g/cm^2Ward三角ではA郡平均0.639g/cm^2、B郡平均0.509g/cm^2。大転子部ではA郡平均0.845g/cm^2、B郡平均0.698g/cm^2であった。また橈骨遠位端部ではA郡平均0.520g/cm^2、B郡平均0.490g/cm^2であった。このように全体的にスポーツ郡は高い骨塩量を示した。また上肢肘関節屈曲筋力ではA郡右平均20kg、左平均16kg、B郡右平均24kg、左平均22kgであった。
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