1993 Fiscal Year Annual Research Report
教育機器の導入からみた教育革新の構造に関する実証的研究・・・映画教育・放送教育・コンピュータ教育の展開及び普及と教員集団の関係・・・
Project/Area Number |
05780171
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Research Institution | Keisen University |
Principal Investigator |
岩佐 玲子 恵泉女学園大学, 人文学部, 専任講師 (90201946)
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Keywords | 教育革新 / 教員研修 / 教育機器 / 視聴覚教育 / 映画教育 / 放送教育 / コンピュータ教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、戦後の日本の教育革新の中から教育機器の導入と関連のある映画教育・放送教育・コンピュータ教育の3つを選んで、これらの教育革新の構造を明らかにすることであるが、特に、教育革新の発現と普及の過程にどのような法則性が存在するのかについて、これに関わった教員数の推移や教員の関わり方等との関係から明らかにしようとするものである。このような目的の達成のために、本年度は資料収集、資料整理、モデルの構築という3つの段階で研究を進めたが。その結果イノベーションを推進する上での要因として重要と思われる点は、教員にとって教具(機器)の入手しやすさ(availability)を高めることであるという示唆を得た。授業の改善にかかわる機器の導入には、受け手側の受容の仕方によっていくつかの類型があるが、コンピュータや映画の教育への利用は、再構成(reconstruction)と呼ばれるタイプであり、これは、教師側の特別な準備を必要とするものである。このタイプのイノベーションの普及には、教員の操作技能や研修参加への積極性と機器の学校における設置台数の間のの関係が影響するのではないかと考えられる。しかし、この仮説を検証してモデル構築を行うには、更に網羅的な文献収集が必要である。本年度収集し得た報告書類の主なものは、文部省社会教育局視聴覚教育課や東京都教育委員会等がまとめた視聴覚教育行政に関する報告書や調査結果等であり、映画教育・放送教育・コンピュータ教育に関して、教員研修への参加人数やそれらの機器への教員の反応に関する資料を分野的・時代的・地域的に焦点を絞り、更に厳密な分析を行うことが次年度以降の課題である。
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