1993 Fiscal Year Annual Research Report
非線形システムの数値シミュレーションにおける精度保証付き可視化技法に関する研究
Project/Area Number |
05780264
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
牧野 光則 中央大学, 理工学部, 専任講師 (90238890)
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Keywords | コンピュータ・グラフィックス / 非線形システム解析 / 精度保証 / レイ・トレーシング法 / ホモトピー法 / 数値解析 / 可視化 / 計算量 |
Research Abstract |
本研究は、ホモトピー法と呼ばれる数値解析技法を中心とする非線形システムの数値解析技法と、その可視化技術であるコンピュータ・グラフィックス(CG)の研究の融合をはかるものである。本研究は、高精度または精度保証された非線形システムの数値解析結果を可視化する際に重要となる。画像生成計算の精度を保証する手法の建築を目的として行われたもので、以下の点を中心に研究を行った。 1.ホモトピー法を利用した場合に確実に解を計算できる保証及びそのための計算量の上界を事前評価するための条件について検討した。また、精度保証計算に有用な有理数による区間演算ライブラリの試作を行った。 2.上記の成果をCGの代表的なアルゴリズムであるレイ・トレーシング法に導入し、精度保証されたレイ・トレーシングアルゴリズムの構築を目指した。すなわち、レイ・トレーシングアルゴリズム中で誤差の混入する可能性の高い交点計算部に区間演算を導入した。この手法を代数曲面に対してコンピュータシミュレーションを行い、交点有無の判断から誤差混入の影響を排除できることを示した。 3.また可視化の段階では本来曲面である形状を計算量低減等の理由により平面に近似することが多い。本研究では原曲面と近似平面との比較・評価に精度の概念を導入し、一定精度以内で平面近似を行うアルゴリズムの開発を行い、簡単な場合について試作・評価した。 4.さらに、ボリュームレンダリングと呼ばれる可視化技法に上記の成果、特に平面近似の手法を導入するための検討を行った。
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[Publications] Mitsunori Makino: "An Estimation Method of Region Guaranteeing Existence of a Solution Path in Newton Type Homotopy Method" IEICE Trans,Fundamentals. E76-A. 1113-1116 (1993)
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[Publications] 斎藤泰: "レイトレーシング法を用いた異方性不均質透明体の表現" 電子情報通信学会論文誌D-II. J76-D-II. 1755-1762 (1993)
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[Publications] Mitsunori Makino: "A Priori Estimation for Computational Complexity of Homotopy Method for Calculating Solutions of Strongly Monotone Equations" Oroc.of 1993 International Symposium on Nonlinear Theory and Its Applications(NOLTA'93). 1053-1056 (1993)
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[Publications] 牧野光則: "ニュートンホモトピー方程式の解曲線の存在範囲と計算量の事前評価" 1993年電子情報通信学会秋季大会講演論文集. 1. 44-44 (1993)
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[Publications] 牧野光則: "線形等式制約付き凸計画問題のホモトピー法による求解の事前評価" 1994年電子通信学会春季大会講演論文集. 1. 104-104 (1994)
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[Publications] 牧野光則: "ニュートンホモトピー方程式に対する解曲線の存在範囲と計算量に関する検討" 電子情報通信学会技術研究報告. CAS93-48 NLP93-36. 43-49 (1993)
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[Publications] 牧野光則: "強単調な非線形方程式に対するホモトピー法の事前評価" 京都大学数理解析研究所数値計算アルゴリズムの現状と展望予稿集. 37-38 (1993)
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[Publications] 牧野光則: "線形等式制約付き凸計画問題のニュートンホモトピーによる求解の事前評価" 電子情報通信学会第7回回路とシステム軽井沢ワークショップ. 4月発表予定. (1994)