1993 Fiscal Year Annual Research Report
設計支援環境における設計モデルの整合性検証に関する研究
Project/Area Number |
05780267
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
新井 浩志 千葉工業大学, 工学部, 助手 (60221735)
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Keywords | 設計支援環境 / 論理回路設計・検証 / 設計モデル |
Research Abstract |
本研究では,設計支援環境の完全性と健全性という2つの概念を定義し,この概念に従って設計支援環境を検証する手法を研究した.完全性は,環境として提供しようとしている設計機能を,ツールの組み合わせによって実現することが可能であるか否かを表わす.また,健全性は,環境として提供しようとしている設計機能が,どれだけツールの機能に等しいかを表わす.本手法では,ツールや環境で扱うことができるデータと,それに対して施すことができる設計操作を設計モデルとして定義し,設計モデルの整合性という観点から完全性と健全性を検証する.個々の設計モデルは,意味ネットワークを用いて表現する.意味ネットワークの基本的な構造は有向グラフであり,これに対して新たに和,差,積の3種類の演算を定義した.これらの演算を用いて意味ネットワーク間の差を求めるアルゴリズムを確定した.これによって,設計モデル間の表現能力が一致しているか否かを判定し,設計支援環境の整合性を検証する事が可能になった. 本手法の有効性を確かめるために,3種類の異なったCADベンダーのツール(工人社:OrCAD,日本レ-カルリダック社:VHDL2000,メンターグラフィックジャパン社:Design Architect)かなる設計支援環境をワークステーション上に構築し,これらのツールの設計モデルを定義し,その整合性を検証するプロトタイプシステムを構築した.本手法によって,論理回路の接続情報レベルでの整合性を検証し,設計支援環境における設計モデルの不整合部分を明確化出来ることを確認した.
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