1993 Fiscal Year Annual Research Report
データローカラィゼーションを考慮したマルチプロセッサスケジューリングアルゴリズム
Project/Area Number |
05780268
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤原 和典 早稲田大学, 情報科学研究教育センター, 助手
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Keywords | 並列処理 / マルチプロセッサスケジューリング / データプレロ-ディング及びポストストア / 自動並列化コンパイラ / データ分割 / スケジューリング |
Research Abstract |
FORTRANソースコードの自動解析の面では、FORTRANフロントエンド、データ依存解析、ループ解析部、マクロタスク分割部を作成し、DOALLループの自動分割に必要なデータを得るところまで作成を行なった。また、そのデータをもとに一つの分割アルゴリズムでデータとマクロタスクを自動分割するプログラムを作成した。 スケジューリングアルゴリズムの面では、二種類のプレロード・ポストストアアルゴリズムの改良並びに評価を行なった。一つはプレロード・ポストストア転送の要求が同時に起こった場合、データ転送の最遅終了時刻の早いものを優先し、次にデータ使用タスクのCP長の大きいものを優先する LF/CP法で、データ転送を考慮しないスケジュールを求めておき、そのスケジュールを変更してデータ転送を割り当てていくという方法をとる。 LF/CP法を評価した結果、データ転送時間が大きくなりバスの競合が多くなるほど効果が上がることが確認された。次に、各プロセッサに分散共有メモリが散在するモデルでのデータ転送方法として、分散共有メモリからのプレロードを行う場合に注目した。その場合のデータ転送の優先順位は、そのデータを使用するタスクのCP長が大きい方を優先してデータ転送を行うこととした。この手法ではデータ転送要求をタスクの割り当てが決定された時点で発行し、同時に複数のデータ転送が発行された場合にはCP法により決定された場合にはCP法により決定するためLF/CP法と同様の効果が期待でき、LF/CP法と比べ、1パスで行うことや時刻ステップの処理、実行履歴の取り扱いの面で有利である。このオーバーラップスケジューリングにより実行時間を20%から35%短縮でき、さらにデータ転送順序最適化を行うだけで実行時間を最大3%短縮できた。これらの結果を情報処理学会全国大会で発表予定である。
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