1993 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌性糖タンパク質(Achacin)の作用と構造の解析
Project/Area Number |
05780467
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
渕野 寿子 上智大学, 理工学部, 助手 (50168994)
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Keywords | 無脊椎動物 / 生体防御 / 抗菌性 / 糖タンパク質 / アスパラギン結合糖鎖 / キシロース |
Research Abstract |
1.アフリカマイマイ体表粘液から、抗菌性糖タンパク質achacinを精製した。 2.精製したachacin100ugを加水分解し、HPLCで分画後ポストラベルし、単糖組成を分析した。マンノースとN-アセチルグルコサミンを多く含むことから、これらの糖をコア部分に持つアスパラギン結合糖鎖が存在する事がわかった。また、動物由来の糖タンパク質には珍しく、キシロースを持っていた。 achacin12mgから、ヒドラジン分解によりアスパラギン結合糖鎖を切り出し、蛍光ラベル後、2種類のカラムクロマトグラフィー(HPLC)による2次元マップ法で単離した。単離した糖鎖の構造を、2次元マップ上の位置より推定した。 推定された18種の糖鎖のうち、比較的大量に得られたものに関して、さらにエキソグリコシターゼ処理後、2次元マップ法で解析したところ、3種類の糖鎖について、その構造を確認することが出来た。そのうち1種類は、植物由来糖タンパク質では報告例があるが、動物由来ではまだ報告の無い、キシロースを含むものであった。 今後、この糖鎖の抗菌性への関与を明らかにしたいと考えている。 4.大腸菌の超音波破砕液を電気泳動し、タンパク質をニトロセルロース膜に転写後、ビオチン化achacinで処理することによって、achacin結合タンパク質を検索したところ、分子量約32000に1本だけバンドが検出された。 今後、このタンパク質を同定する事によって、achacinの殺菌作用を解明することが出来ると考えている。
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